田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

アメリカでも一人暮らしが増加中、そこにビジネスチャンス有り!

日本で一人暮らし世帯が増えていることは、報道等でご存知かと思います。現在、日本の単身世帯率は35%程です。実はアメリカでも一人暮らし世帯が増えています。それに伴い、新しいビジネスチャンスが生まれているようです。昨日のウォールストリートジャーナ…

地球にやさしいビール、パタゴニアの挑戦

地球にやさしいビールとは? ビールは主に麦から作られていますよね。地球にやさしいビールは、「カーンザ」という多年草から作られています。アウトドアブランドのパタゴニアが2016年からアメリカで販売しているそうです。アメリカのビジネス誌、ファスト・…

亡びゆく言語と、多様性の危機

世界には現在、約7000もの言語が存在していると言われています。その中で、3500もの言語が今、消えていこうとしています。 言語学者のK.デイビィッド・ハリソン著『亡びゆく言語を話す最後の人々』を紹介します。言語と文化の関係、亡びゆく言語の実態、なぜ…

ノーベル賞受賞 大村智先生の説く 田舎暮らしのススメ

大村智先生といえば、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された方ですよね。ノーベル賞受賞者で思い浮かべるのは、頭が良い、知の巨人といったところでしょう。大村氏は意外なことに、からだを動かすことの重要性を述べています。正確に述べると、からだ…

田舎暮らし、実は最先端のライフスタイル!

最先端の生き方は、田舎暮らしである。 私はそう思います。 普通、最先端のライフスタイルというと、東京港区あたりの億ションに住み、六本木や渋谷でIT起業家として働く、もしくは丸の内あたりの外資系金融会社、コンサルタント会社で働く人を指すのでしょ…

さようなら、経済成長至上主義

人はなぜ働くのでしょうか。生活の糧を得るためだ、働くこと自体が喜びだからだ、などの意見があるかと思います。おそらく前者の意見が多いでしょう。 ではなぜ生活するのか。生物としての生存そのものが目的なのでしょうか。そんなことはないでしょう。現代…

アメリカでしいたけジャーキーが大流行!

今、アメリカの若者の間でジャーキー、特に植物系のジャーキーが大流行しているようです。4/22のウォールストリートジャーナル紙に興味深い記事が出ていましたので紹介します。 かつてアメリカで安っぽいスナックとして捉えられていたジャーキーが今では食の…

地域おこし協力隊に向いていない人の6つの特徴とは

私は地域おこし協力隊として、三重県南部の漁村で漁業の6次産業化に取り組んでおります。自らの体験と、他の地域おこし協力隊の方々のお話を通して私が感じる、地域おこし協力に向かない人の特徴を6点上げます。地域おこし協力隊に応募を考えておられる方々…

日本料理を哲学する~ロランバルトの『表徴の帝国』を読んで~

日本料理というとお刺身や塩焼きなど素材の味を生かしたシンプルな料理が頭に浮かびますよね。日本料理はシンプルであるが故に、実は奥深い料理なのです。 戦後にフランスを中心に起った現代思想の一大潮流、構造主義を代表するフランスの文芸批評家、ロラン…

少子化社会、実は意図的に作り出されていた

なぜ日本は少子化、人口減少に陥ったのでしょうか。所得が少ないため結婚出来ない人が増えている、働きながら子育てする環境が整っていない、はたまた女性が社会進出によって経済的に自立するようになり、未婚化が進んだため等が言われていますね。一概には…

サバ缶ブームと田舎暮らし体験ブームに見る 二極化する世相

食のトレンドは二極化が進んでいます。一つはお手軽調理品、もう一つは体験型です。 前者を代表するのは、最近ブームのサバ缶です。サバ缶がブームになっている理由としては、保存が効く、健康的(サバにはDHAが多く含まれている)、味も進化している等があ…

熊野の山中で見つけた看板が面白過ぎる件

三重県熊野市紀和町の山中で面白過ぎる看板を見つけました。その名は 「スナック 水割り」 スナックの店名が水割り???スナックの店名といったら、ママさんの名前や広がりのある言葉を使うことが多いですよね。例えば、「スナック れいこ」、「スナック 慕…

廃墟の可能性〜紀州鉱山跡地を訪ねて〜

「このキャンパスは出来た時から廃墟であった」 私が大学生1年生の時に受講した西洋哲学史の授業で先生がおっしゃっていたことです。聞いた時は腑に落ちませんでした。当時の大学キャンパスは出来てから10年も経っていない新しい建物でしたし、数千人の学生…

移住者が田舎で良い人間関係を築く3つのコツ

田舎暮らしをしてみたいと考えている都市住民は、都市人口の半分、三分の一にものぼるとのデータがあります。のんびりした暮らし、豊かな自然、温かい人間関係等に憧れて田舎に移住したいと考える方は多いですよね。実際に田舎に移住してみたけれども、うま…

平成とは何であったのか 〜神話の終焉と再生〜

本日、新元号が発表されました。 「令和」 初めて日本の古典(万葉集)から採用されたことが印象的です。来月から新しい時代が始まります。これを機に平成期に国内で起こった代表的事件を取り上げて、平成とはどのような時代であったのかを考えてみます。 代…

イブン・ハルドゥーン『歴史序説』で読む 都市文明の衰退過程

『歴史序説』は中世のイスラーム世界を代表する思想家、イブン・ハルドゥーンが書いた文明論の著作です。高校の世界史にも出てきてご存じの方も多いかと思います。この著作の中でイブン・ハルドゥーンは、歴史、政治、経済、地理等様々な観点から文明を論じ…

珍味、ブリの白子の料理方法と未利用魚活用の可能性

ブリの白子をご存知でしょうか。ブリと言ったら、脂ののったお刺身や、アラを使ったぶり大根が定番かと思います。実はブリの内蔵もお酒のつまみとして絶品なのです。都会にはほとんど出回っていないですよね。私の暮らす海辺の町ではスーパーで普通に売って…

実はインドア派が多い田舎の人びと

春になったら蝶々を追いかけたり、夏になったらカブト虫獲りに海水浴などなど 田舎に暮らす子供たちの遊びといったらこれらを思い起こす方が多いのではないでしょうか。私もそのように思っていました。実際に田舎暮らしをして、そうではないことを知りました…

伝説の漂泊民「サンカ」と熊野

「サンカ」をご存知でしょうか。かつての日本にいた漂泊民です。彼らは今で言うテント暮らしをしていたようです。定住せずに狩猟採取を営みつつ、山の中、川辺を転々としながら暮らしていました。竹細工を作って行商したりもしていたようです。 私は大学生の…

長崎で見つけた、機械と人間の温かな関係

10年ぶりに私の愛する街、長崎を訪れました。その際に、長崎のグラバー園で面白い公衆電話を発見しました。その名は、 「自働電話」 この電話ボックスは、明治時代に東京の新橋に設置された我が国初の公衆電話を再現したものです。当時は公衆電話のことを自…

地域おこし、成功事例研究が役に立たない3つの理由

シャッター街だった田舎の商店街が活気を取り戻した、移住者が増えて衰退する漁村に賑わいが戻った等々の地域おこしの成功物語がメディアなどでよく紹介されていますよね。 私は仕事として地域おこし活動を行なっておりますので、様々な地域おこしの成功事例…

ナチュラリストの思想〜瞬間瞬間に魅せられて〜

ナチュラリストとはどのような人なのでしょうか。一般的には自然愛好家と解されているかと思います。昆虫好き、ハイキング愛好家などなど。ではナチュラリストの思想の本質とは何でしょうか。生物学者の福岡伸一氏の『ナチュラリスト 生命を愛でる人』という…

人はなぜ熊野古道を歩くのか

「なぜ山に登るのか。そこに山があるからだ」 人口に膾炙する、イギリスの伝説的登山家、ジョージ・マロリーの言葉ですね。命を懸けて挑戦するロマンの対象として山がそこにあるから、登るのだ、という意味かと思います。 熊野古道中辺路の大雲取越の写真で…

日本最古の湯、湯の峰温泉の驚くべき効能

熊野本宮大社から車で10分ほど行ったところに、知る人ぞ知る名湯、湯の峰温泉があります。約1800年もの歴史を持つ日本最古の温泉であると同時に世界で唯一、世界遺産に登録されている温泉でもあります。そして、驚くべき効能を誇る温泉でもあります。辺りに…

衰退する地方を救う 学生の力!

「魚を使ったスイーツを作ってみてはどうか」 「(サバを見て)サンマだ!」 学生たちの一言です。 先日、熊野の地域おこしに協力してくれている学生ボランティア団体の学生たちが魚市場を見学にいらっしゃっいました。市場、加工場の案内、日本の漁業、熊野…

スティーブ・ジョブズの美学 「シンプルであること」

「シンプルであることが最も洗練されていることだ-Simplicity is the ultimate sophistication-」 スティーブ・ジョブズはこう述べていました。 スティーブ・ジョブズ 言わずと知れたアップルの創業者でiPhoneを世に送り出したビジネス界のカリスマですね。2…

本マグロをたらふく食べられる日は近い 「人口培養魚肉」を工場生産!

工場の人口容器の中で魚体を必要とせず、魚肉を細胞培養生産する技術の開発が進んでいるようです。一部成功しているとのことです。鶏肉などの人口培養肉の開発が進んでいることは知っていましたが、魚に関しても開発が進んでいることは知りませんでした。こ…

あなたは「いる」派?「ある」派?〜中上健次の方言論を読み解く〜

私は世界と共にいる。 私は世界と共にある。 「いる」と「ある」 同じように思えますが、全く違う世界観を表しているように思えます。 私は世界と共にいる。 世界より先に自分がいて、自らの意思で世界の中に入っているようなイメージでしょうか。自己決定論…

魚食をめぐるユダヤ教のタブー

今回は日本の田舎を離れて、世界の魚食事情とそこから見える多文化社会の実情を書いてみます。 日本人は魚介類が大好きですよね。一人当たりの魚介類消費量は世界6位です。現代日本において大きな社会規範として魚介類食のタブーは存在しないですね。(地域…

平家物語と熊野 〜海の彼方を夢みて〜

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」 日本古典文学史上に残る一大叙事詩、平家物語の冒頭です。学校で習ってご存知の方も多いかと思います。実は平家物語と熊野は関係が深いのです。平家物語は熊野信仰が最も盛んであった中世に描かれたということもあ…