田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

最近、日本で大規模デモが起こらないのはなぜか?

2019年は世界中でデモが頻発した年でしたね。香港、インド、イラン、イラク、スペイン、フランス、ドイツ、イギリス、スウェーデン、ボリビア、チリ、ベネズエラ、スーダン、アルジェリアなどなど枚挙に暇がないです。外国のニュース番組を視聴していると、…

哀しさと美しさ 〜Speak Lowを聴いて〜

小さな声でささやいて、愛しい人よ 夏の日はあっという間に消え去ってゆく 小さな声でささやいて、愛しい人よ 私たちの一瞬は瞬く間に過ぎ去ってゆく 海にたゆたう船のように 私たちもたちまち別れ離れになる 小さな声でささやいて、ダーリン、小さな声で 愛…

「選択と集中」の危険性 〜大英帝国の衰退に学ぶ〜

選択と集中と言えば、経営学の概念ですね。自社の得意分野に資源を集中投下することで成長を成し遂げようという経営戦略の一種です。対義語は多角化です。経済学用語の比較優位説も似た概念です。それぞれの国は得意分野に特化することで、経済効率が最大化…

本居宣長の一生 〜プロを超えたアマチュア〜

本居宣長といえば、江戸時代に活躍した国学者であり、日本史の授業にも登場する日本史に残る偉人ですね。そんな本居宣長、実はアマチュア学者だったのです。現在の日本でアマチュアと言えば、プロより劣る存在であると一般的に考えられていますよね。野球を…

最強国、アメリカを蝕む知られざる病の正体とは?

現代の最強国はアメリカである、この考えに異論はほとんど出ないのではないでしょうか。経済力、軍事力等々、中国に追い上げられているとは言え、アメリカは現代世界で群を抜いている超大国ですよね。ではアメリカに死角はないのでしょうか。そんなことはあ…

死と再生の地、熊野 〜黄泉の国、根の国、常世〜

昨日、熊野古道の中辺路を歩いてきました。私は熊野に住んでいますので、ほぼ毎週末にはどこかしらの熊野古道を歩いています。熊野古道というと、観光地で多くの人々が歩いていると思ってらっしゃるかもしれません。一部を除いてそんなことはありません。総…

三極化する田舎移住者 〜自給自足、起業、スローライフ〜

田舎移住者というと、自然愛好者、親密な人間関係を求める人々等々を思い浮かべる方が多いと思います。実は、田舎移住者にはこれらのステレオタイプに収まり切らない多様性があります。私は東京、名古屋で15年暮らした後に田舎に移住しました。人口は300人程…

芸術における美は「必要」から生まれるのか。〜坂口安吾の『日本文化私観』を読んで〜

「必要は発明の母」ということわざがありますね。「必要は芸術における美の母」とも言えるのでしょうか。『堕落論』などで有名な無頼派の作家、坂口安吾のエッセイ『日本文化私観』を通して、芸術における美について考えてみます。 坂口安吾はエッセイの中で…

大好きが大嫌いに変わる時、人は鬼になる。〜道成寺伝説を読んで〜

本日、和歌山県日高川町にある道成寺を訪れました。道成寺は能、歌舞伎、浄瑠璃といった古典芸能の演目となった「安珍清姫伝説」の舞台となった場所です。創建は701年と、長い歴史を有する名刹です。 「安珍清姫伝説」を紹介します。 奥州から熊野詣に向かう…

葬礼に見る矛盾する人間の本能 〜忘却と記憶の間で〜

昨日、奈良県明日香村の石舞台古墳を訪れました。7世紀初頭に築かれたと考えられています。蘇我馬子のお墓との説が有力なようです。石の下は空洞になっていました。 地震や台風などの災害にも耐えて、1000年以上も姿を保っているとは驚きです。有名なお墓と…

トランプ現象を生み出した心理とは?

「トランプ支持は、選挙民の自分たちの社会的な存在を認めてほしいという切なる要望の表われだったのである。トランプに投票した人々は、自分たちのそうでありうる、あるいはそうあるべき姿でなく、ありのままの姿を愛してほしかったのだ」 フランスの経済学…

虫を食べて育った牛が地球を救う!かもしれない。

虫を食べるのはなかなか抵抗がありますよね。では、虫を食べて育った家畜の肉を食べるのはどうでしょうか。おそらく、そこまで抵抗はないのではないでしょうか。実は今、家畜飼料用の虫を生産するスタートアップ企業が海外で勃興しています。アメリカのニュ…

ブラック企業に服従する人間の心理とは?

製造業のデータ改ざん、食品業の産地偽装、パワハラなど企業の不祥事が絶えませんね。これらの悪事を為した企業人は、果たして極悪非道の悪人なのでしょうか。そうとは言えない可能性が高いです。会社の命令だから、会社に良かれと思って、組織の命令に陰に…

あえてナンバーワンを掲げないマーケティングの可能性とは

今朝、大阪難波の千日前商店街を歩いていたら、面白い看板を見つけました。2番目でええんかい!とツッコミを入れたくなりましたが、意外にマーケティングとして有効なのかもしれないと思いました。ナンバーワンを掲げるお店が多々ある中、あえて二番手を掲げ…

高野山で見つけた「忘れられた」歴史の面影

「歴史は記憶、記録の集積なのか。それとも、忘却の過程なのだろうか」 昨日、和歌山県の高野山を訪れました。高野山は弘法大師が開いた、真言宗の総本山です。日本仏教における一大聖地です。世界遺産にも登録されています。 奥之院には、約2kmに渡って広大…

新聞は軽減税率の対象、書籍は対象外になったのはなぜか。

先日、消費税増税後に初めて本を購入しました。なんと消費税が10%に上がっているではありませんか!新聞は軽減税率対象で8%に据え置かれると知ってましたので、当然、書籍も軽減税率の対象かと思っていました。 新聞が軽減税率対象になる根拠は何なのでしょ…

忘れ去られつつある「手書き」の効用とは?

読むことはできても書けない漢字は意外に多いのではないでしょうか。デジタル時代において、パソコンやスマホで文字入力、変換を行う機会が多く、手書きする機会が激減しているように思います。私自身も同様で最近、手書きできない漢字が増えてきました。タ…

伝統と習慣の違いとは 〜小林秀雄の伝統論を読んで〜

伝統と習慣 似ているような似ていないような言葉ですよね。過去から続いてきたものを守るという意味では同じでしょう。小林秀雄は『伝統について』という批評文の中で、伝統と習慣を明確に区別し、守るべき伝統とは何かを論じています。 本文を引用します。 …

藤原京の面影を求めて 〜天香久山と大嘗祭〜

昨日、1300年ほど昔に日本の都であった藤原京跡を散策しました。現在の奈良県橿原市にあります。大和三山(天香久山、畝傍山、耳成山)もこの区域に含まれています。天香久山にあります天香山神社を訪れましたところ、偶然にも宮司さんがいらして、興味深い…

現代人は故郷喪失者か 〜寺山修司の故郷論を読んで〜

「男は誰でも故郷を持っている。それは女にはないものである。女は、生きていた月日を思い出すとき、それが夫であったり、家であったり、山鳩の啼いている森であったり、お祭りであったりする。だがそれは故郷とは別のものだということを男は知っている。故…

雨降る東京と「ポートレイト・イン・ジャズ」

夏が終わり、秋雨の季節が近づいてきました。今回は雨と音楽をめぐる個人的な思い出話をしてみます。 ビル・エヴァンスの『オータム・リーブス』を聞くと、雨に濡れる東京丸の内超高層ビル群の夜景が浮かんできます。 ビル・エヴァンスはモダンジャズを代表…

「ヒット」を生み出す二大法則とは?

「ヒット」を生み出す法則は存在するのでしょうか。存在するようです。経済、メディア関連の記事を執筆しているアメリカのジャーナリスト、デレク・トンプソンの著書『ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで』を通して、ヒットを生み出す二大法則に…

「マツタケ」に学ぶ共生という生き方

マツタケの土瓶蒸しや、焼きマツタケは、香り豊かでとても美味しいですよね。今では超高級食材になってしまい、なかなか食べる機会に恵まれなくなりました。国産品ですと1kgあたり数万円もします。シイタケより安価だった時代もあるそうです。マツタケがなぜ…

グローバル社会に潜む落とし穴とは?〜古代グローバル文明の崩壊〜

アメリカでのトランプ大統領の登場、イギリスのEU離脱、グローバル化の旗振り役であった二国を中心に反グローバリズムの動きが出てきています。このことの是非を論ずるのではなく、古代グローバル文明の崩壊を手がかりにして、グローバル社会の問題点と対処…

「サラダ記念日」と夏の終わり

「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」 俵万智さんの歌集「サラダ記念日」の中の有名な短歌です。「サラダ記念日」は1987年に出版、ベストセラーとなり、現代短歌ブームを巻き起こしました。約280万部も売れたそうです。同年の流行…

人間はなぜ愚行を繰り返すのか 〜失敗の世界史〜

人間は進歩しているのでしょうか。科学技術の観点からは間違いなく進歩しています。現代、インターネットを通して世界中と瞬時にコミュニケーションをとることができます。月面着陸しました。医療の進歩によって平均寿命は大幅に伸びました。ただ、統治や政…

「タピオカミルクティー」流行に見る食の3大トレンドとは?

台湾発のタピオカミルクティーが日本でも流行っていますね。ロンドン、ニューヨークでも大人気のようです。昨日のウォールストリートジャーナル紙にも記事が出ていました。ロンドンでは、アルコール入りのタピオカミルクティーが人気のようで、まもなくニュ…

破滅に向かうギャンブラー心理と人間の本性とは

創業家3代目大王製紙会長、井川意高氏、106億もの会社資金を私的に流用し、カジノで散財。 2011年に世間を騒がせたニュースですね。大王製紙は、エリエールなどのティッシュブランドで知られている大手製紙会社です。井川意高氏は創業家の3代目で大王製紙の…

東京一極集中は本当か 〜地方が誇りを取り戻すためには?〜

東京一極集中 最近よく聞く言葉ですよね。どちらかといえば否定的なニュアンスで使われることが多いと感じます。東京一極集中は、人口減少を助長する、災害リスクが高い、文化の多様性を破壊する等々。私は東京一極集中という言葉は、誤解を招きかねない問題…

縁切りのパワースポットを奈良で発見!〜談山神社を訪ねて〜

ん?縁切り祈願所? 縁結び祈願所はよく聞きますが、縁切り祈願所はあまり聞かないですよね。本日、奈良県桜井市にあります談山神社を訪問した際に見つけました。 談山神社は大変由緒ある神社のようです。中大兄皇子と共に大化改新を成し遂げて、その後の藤…