田舎暮らし in 熊野

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スティーブ・ジョブズの美学 「シンプルであること」

「シンプルであることが最も洗練されていることだ-Simplicity is the ultimate sophistication-」

スティーブ・ジョブズはこう述べていました。

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スティーブ・ジョブズ 言わずと知れたアップルの創業者でiPhoneを世に送り出したビジネス界のカリスマですね。2011年に癌で亡くなりました。世界のライフスタイルを変えた偉人、天才的な創造力の持ち主、プレゼンの達人、周りとの衝突を恐れない強烈な自己意識の持ち主等々、およそ平凡とは正反対のイメージを持たれている方だと思います。アップルを創業、周囲と対立し一度アップルを追放されます。やがて電撃復帰を果たし、iPod,iPhone等を世に送り出して世界のライフスタイルを変えました。私生活も波乱万丈だったようです。意外なことに彼の人生観はシンプルに考えることにあったようです。スティーブ・ジョブズの伝記、ウォルター・アイザックソン著の『スティーブ・ジョブズ』を紹介します。

 

アップルの製品を見ると、「シンプルであること」がよく分かりますよね。iPhone,iPodなど非常にシンプルなデザインです。機能的にも無駄が削ぎ落とされていて使いやすいですよね。アップルストアの店内もシンプルそのものです。私自身のアップルとの出会いは1998年に発売されたiMacです。当時中学生だった私は、シンプルで美しいフォルムに惹かれて親に買ってもらったものです。ジョブズはこう述べています。

「デザインは単に製品が表面的にどのように映るかということではない。デザインは製品の本質を反映していなければいけない。デザインは人間の発明品の基盤となる魂であり、それを通して外部の世界に自らを表現する」

「あなたが外面において非常に洗練されたものを見るとき、その裏には内面における深い思索が伴っている。本当に必要なものは何かを深く考え、無駄を取り除いていくことでこそ我々は進歩する」

 

シンプルに考えるということは、深く考えないという意味ではないのですね。本当に必要なもの、大切なものは何かを深く考えて、それ以外の無駄を削ぎ落としていく。本質を理解すること、無駄を削ぎ落とすこと。決して簡単ではなく、勇気のいることです。世間一般では、知識や経験を積むことで、人間として成長すると信じられています。キャリアアップの考え方などもこの考え方の延長線上にあるのでしょう。この考え方にも一理あります。同時に様々な知識や経験を積み重ねる中で、複雑さの大海に漂って、本当に必要な何かを見失ってしまうという弊害もあるのではないでしょうか。時には立ち止まって、本当に自分にとって大切なものは何かを考えて、無駄を捨てていく勇気を持ちたいものです。

 

いかがでしたでしょうか。スティーブ・ジョブズは波乱万丈の人生とは裏腹に「シンプルであることが最も洗練されていることだ」との人生観を持っていました。シンプルであるためには、本当に大切なものは何かを考え抜き、それ以外の無駄を捨てていく勇気が必要という話でした。