田舎暮らし in 熊野

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本マグロをたらふく食べられる日は近い 「人口培養魚肉」を工場生産!

工場の人口容器の中で魚体を必要とせず、魚肉を細胞培養生産する技術の開発が進んでいるようです。一部成功しているとのことです。鶏肉などの人口培養肉の開発が進んでいることは知っていましたが、魚に関しても開発が進んでいることは知りませんでした。この衝撃的なニュースがアメリカのワシントンポスト紙に掲載されていました。シリコンバレーのスタートアップ企業、フィンレスフーズ社が人口培養本マグロ魚肉の開発を進めています。

 

この技術開発が進んで大量生産体制に乗ったならば、水産業界だけに関わらず、人類の生活に革命的とも言える影響を与えるのではないかと思います。既存の養殖魚は、環境に優しいと考えておられる方が多いと思います。しかし、養殖魚を育てる餌は天然魚が多いのであり、養殖魚イコール環境に負荷がかからないという考えは事実と異なります。人類の歴史は限られた資源の獲得競争の歴史です。特に食料は人類の生存に必須の最重要産品です。食料をめぐる熾烈な獲得競争が現在も進行中です。現在の中国の対外拡張の背景には、13億の人民を食べさせなければいけないという切実な事情があると思われます。もし、人口細胞培養魚技術が軌道に乗ったならば、人類は資源制約から解放され、環境破壊、資源獲得競争がなくなる可能性すらあります。

 

人口細胞培養魚肉開発の先には薔薇色の未来が待っているのか。そんなに簡単な話ではないです。課題は主に3点あります。一つ目は、味です。人口培養魚肉はミンチ状の魚肉です。魚体を持った魚の切り身とは食感が違います。脂や旨みもまだまだのようです。二つ目は採算の取れる事業として成立するのかどうかです。三つ目は消費者の意識です。人口培養魚肉を食べたいと思うかということです。現状、食べたい人は少数派でしょう。

 

いかがでしたでしょうか。魚体を必要とせず、工場で人口的に魚肉を細胞培養する技術開発が進んでいるという話でした。もし採算ラインに乗れば、人類は限られた食料資源制約から解放され、環境に優しく、資源獲得競争のないユートピア的な世界に生きることができるのかもしれませんね。ただ、味、事業採算、消費者の意識等の課題も残っています。10年後、寿司屋で人口細胞培養本マグロを頬張っている人の姿を想像してみます。不気味な気もします。