田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

実はインドア派が多い田舎の人びと

春になったら蝶々を追いかけたり、夏になったらカブト虫獲りに海水浴などなど 田舎に暮らす子供たちの遊びといったらこれらを思い起こす方が多いのではないでしょうか。私もそのように思っていました。実際に田舎暮らしをして、そうではないことを知りました。田舎の人びとは意外とインドア派が多いのです。同年代(30代)だと、趣味はゲームやパチンコという人が多いです。住民に聞いたところ、今や子供たちだけで海水浴に行くことはあまりないそうです。泳げない子供も多いようです。

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なぜなのでしょうか。分かりやすいところで言えば、遊びの多様化、保護者の影響といったところでしょう。今は自然の中で遊ばなくてもスマホゲームなどで手軽に遊ぶことができます。自然の中で遊ぶことは当然危険が伴いますので、保護者も止めがちになるのでしょう。別の視点から考えると、人間心理的に自らの置かれている環境の良さはなかなか分かりにくいのかもしれません。自然に囲まれた生活を日々送っていると、自然の魅力を感じにくくなるのでしょう。

 

都市住民や都会から田舎に移住した人びとの方がアウトドア派が多いという実感があります。普段は自然から切り離された生活をしている分、自然に憧れがあるのでしょう。

 

自然に触れ合うことの魅力とは何でしょうか。ナチュラリストの思想〜という別のブログにも書きましたが、「驚きの感覚」を得ることだと思います。自然は人間の力で左右できるものではなく、予測が難しいです。山道を歩いていたら、突然野生のイノシシやシカに遭遇することがあります。少し前まで穏やかだった海が突如として大しけになることもあります。私自身、海でヨットに乗っていた時に突然大しけに見舞われ、海上保安庁に救助された経験があります。予測していない事態に遭遇した時に人は「驚きの感覚」を得ます。当然危険と隣り合わせです。想定外の事態に対処していく中で、危険察知、危険対処の力を養っていくというメリットもあります。

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「驚きの感覚」に関して考察すると、自然との関係から得られるものと、人間関係から得られるものの二種類があります。前者は田舎に長があります。後者は都会に長があります。都会では様々な人びとと出会い、世の中にはいろいろな考え方があることを学ぶことができます。やはり、都会には都会なりの「驚きの感覚」が満ちているわけです。

 

私は都市と田舎の関係は、上下、優劣の関係ではなく、お互いに欠けているものを補い合う関係であるべきだと思います。都市は田舎から、自然との関係から得られる「驚きの感覚」を学び、田舎は都市から、多様な人間関係から生まれる「驚きの感覚」を学ぶことができると思っています。