田舎暮らし in 熊野

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地球にやさしいビール、パタゴニアの挑戦

地球にやさしいビールとは?

 

ビールは主に麦から作られていますよね。地球にやさしいビールは、「カーンザ」という多年草から作られています。アウトドアブランドのパタゴニアが2016年からアメリカで販売しているそうです。アメリカのビジネス誌、ファスト・カンパニーに興味深い記事が出ていましたので紹介します。

 

なぜ、多年草のカーンザから作られているビールは地球にやさしいのでしょうか。多年草は麦などの一年草のように、毎年畑を耕し、化学肥料や農薬を使う必要がないため土壌侵食や水質汚染の心配が少ないようです。麦に比べると少量の水で育ち、農薬も不要です。加えて。多年草一年草に比べて深く根をはるため、土壌を豊かにし、二酸化炭素の吸収力も優れているようです。

 

地球にやさしいビールは、オーガニック食品の一種と考えられます。オーガニック食品市場について考えてみます。農林水産省の資料によると、アメリカのオーガニック食品市場は約4.7兆円、欧州は約3.7兆円もあります。日本はたったの約1300億円です。経済規模の差を勘案しても、日本のオーガニック食品市場は欧米に比べると非常に小さいことが分かります。

 

ではなぜ日本のオーガニック食品市場はかくも小さいのでしょうか。おそらく、日本は食の安全に対する意識が低いということでしょう。日本では、主に安くて扱いやすい食品が売れているように思います。確かに、日本は世界に冠たるグルメ国でしょう。数年前に、欧米のとある機関から東京が世界一のグルメシティに選ばれたという報道がありました。ただ、食の安全意識に関しては低いと言わざるを得ないと思います。最近、農薬企業であるモンサントの除草剤に発ガン物質が含まれており、被害を被ったとの訴訟がアメリカで多発しています。モンサント(今はバイエルの子会社)の敗訴が続いています。欧米メディアでは大きく報道されていますが、私の知る限り、日本のマスメディアでは見たことがありません。業界団体等からの圧力があるのでしょう。ただ、本質的には日本の消費者の食品の安全に対する意識の低さが背景にあると思います。

 

いかがでしたでしょうか。アメリカでパタゴニアが販売している多年草を使った地球にやさしいビールを紹介しました。加えて、オーガニック食品が日本でなかなか普及しない理由は、日本の消費者の食の安全に対する意識の低さにあるのではないかとの私論を述べました。