田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

「ヒット」を生み出す二大法則とは?

「ヒット」を生み出す法則は存在するのでしょうか。存在するようです。経済、メディア関連の記事を執筆しているアメリカのジャーナリスト、デレク・トンプソンの著書『ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで』を通して、ヒットを生み出す二大法則について考えてみます。

f:id:kumanonchu:20190920151147j:image

1.懐かしいと同時に新しいもの

2.強い拡散力

 

1.懐かしいと同時に新しいもの

これはまさに矛盾ですよね。人間そのものが矛盾している存在ということなのでしょう。本文を引用します。

「消費者のほとんどは、ネオフィリア(好奇心が強く、新しいものを発見したいと思う)であると同時に、重度のネオフォビア(あまりに新しいものを怖がる)でもある。優れたヒットメーカーとは、新しいものと既存のもの、あるいは不安と理解を組み合わせて、「意味がわかる瞬間」を作り出す天才たちである。「どこかなじみを覚える驚き」を作り出す人たちと言ってもいい」

例として、「ブラームスの子守歌」と映画「スターウォーズ」をあげています。「ブラームスの子守歌」は民衆に馴染みのあった民俗歌曲からメロディーを借りて、華麗なアレンジを加えることで世界的なヒットになりました。「スターウォーズ」は西部劇や日本の黒澤明監督の映画などを下敷きにして、宇宙を舞台にしたSFとコミックの融合という新しい表現を行うことで大ヒットとなりました。つまり、新旧融合、温故知新、換骨奪胎。言うは易し行うは難しなのでしょう。状況によって、求められている新旧間のバランスは異なります。バランス感覚が大切なのでしょうね。ヒット商品にはオリジナリティ(独自性)が必須だ、との話はよく聞きますが、オリジナリティという新奇性が強いだけではヒットしないということでしょう。懐かしさにも同時に訴えかける必要があるのでしょうね。ヒットを生み出すためには、最新のトレンドを追うだけでなく、歴史や古典を学んで、人間が普遍的に持っている「懐かしさ」の源泉に近づく努力も必要なのでしょう。

 

2.強い拡散力

懐かしさと新しさの絶妙なバランスを持っている素晴らしい商品があったとしても、消費者のもとに届かなければ、当然ヒットにはなりませんね。消費者のもとに届けるためには、強い拡散力が必要です。「ブラームスの子守歌」は世界中に拡散した大量のドイツ系移民がいたからこそ、世界中に広がりました(ブラームスはドイツ人です)「スターウォーズ」は、監督のジョージ・ルーカス知名度や、巨大映画会社の宣伝の効果もあり、世界的ヒットになりました。ブログで考えてみると、芸能人のブログに総じて読者が多いのは、芸能人が強い拡散力を持っているからだと言えましょう。(もちろん、内容も素晴らしい芸能人ブログもあります)

 

いかがでしたでしょうか。「ヒット」を生み出すためには、新旧融合の絶妙なバランスと、強い拡散力という二つの要素を兼ね備える必要があるという話でした。端的に言って、良いものを作り、上手に販売するということなのでしょう。職人であると同時に商売人でもあれ、みたいなことでしょう。