田舎暮らし in 熊野

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あえてナンバーワンを掲げないマーケティングの可能性とは

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今朝、大阪難波千日前商店街を歩いていたら、面白い看板を見つけました。2番目でええんかい!とツッコミを入れたくなりましたが、意外にマーケティングとして有効なのかもしれないと思いました。ナンバーワンを掲げるお店が多々ある中、あえて二番手を掲げて注目を集めようとする逆張り戦略でしょう。

 

巷にはありとあらゆるナンバーワンが溢れていますよね。日本最古の温泉、大阪で一番美味しいたこ焼き屋、日本一きれいな海水浴場、さんま寿司発祥の地などなど。確かにナンバーワンにはアピール力があります。日本で一番高い山は、言わずもがな富士山ですよね。では二番目は?分かる人は少ないのではないでしょうか。答えは北岳です。私も知りませんでした。ただ、マーケティングで言われてるところのナンバーワンには、明確な根拠がない場合が多く、信憑性に欠けるため、逆に嘘くさく感じてしまいます。きれい、美味しい、発祥の地などに明確な根拠はないと思います。

 

私は仕事で水産品の商品開発を行っています。商品開発の世界では、商品にナンバーワンの要素を見つけて、売りとして大々的に掲げるという鉄板セオリーがあります。様々な角度から検証すると、ナンバーワンの要素は意外に見つかったりします。魚の水揚げ量日本一であったり、住民一人当たりの魚の消費量であったり、特定の栄養素が全魚種の中でナンバーワン等です。先程述べたように、きれい、美味しい、発祥の地など、根拠が曖昧なものに関しては、誤解を恐れずに言えば、勝手にナンバーワンを名乗ることも出来ます。

 

私はマーケティングの裏側を多少知っていることもあり、ナンバーワンを掲げている商品や店名には懐疑的になってしまうのかもしれません。写真の大阪のたこ焼き屋のように二番手を掲げているのを見ると逆に惹きつけられます。三番手や四番手ではだめなのですよね。トップを追いかける二番手の位置というのが絶妙に思えます。

 

今まではマーケティングの話をしました。根拠が明確な科学技術やスポーツの世界では、やはりナンバーワンを目指した方がいいのでしょう。一番と二番の間には雲泥の差があります。ワールドカップカップ優勝国と準優勝国では注目度が全く異なります。

 

いかがでしたでしょうか。マーケティングの世界には、ナンバーワンを掲げる鉄板セオリーがあり、巷にはナンバーワンを掲げるお店や商品が溢れていますよね。このような状況の中、あえて二番手を掲げる逆張り戦略は、新鮮で面白いのではないかという話でした。