田舎暮らし in 熊野

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虫を食べて育った牛が地球を救う!かもしれない。

虫を食べるのはなかなか抵抗がありますよね。では、虫を食べて育った家畜の肉を食べるのはどうでしょうか。おそらく、そこまで抵抗はないのではないでしょうか。実は今、家畜飼料用の虫を生産するスタートアップ企業が海外で勃興しています。アメリカのニューヨークタイムズ紙に興味深い記事が載っていましたので紹介します。

 

虫飼料の最大の特徴は、植物飼料などに比べて、大幅に環境負荷が少ないことのようです。現在、飼料といえば、大豆や魚粉からできたものがほとんどです。それらの生産過程において、森林破壊、土壌汚染、温室効果ガスの増加、乱獲等、様々な環境破壊が進んでいます。虫の飼育には、化学肥料や殺虫剤は不必要で、餌も残飯で良いため、非常に生産効率が良いようです。成長も非常に早いため、その点でも効率的とのことです。栄養価も非常に高いようです。つまり、虫飼料は環境に優しい飼料なのですね。

 

個人的に素晴らしいと思うのは、残飯を餌にできる点です。残飯とは、食品ロスのことです。本来、食べることができるにも関わらず廃棄されている食品です。消費者庁の資料によると、日本では年間約646万トンもの食品ロスが出ています。これは毎日、大型トラック1770台で運ぶ程の膨大な量です。学生時代に飲食店でバイトしていた時に、大量の食べ残し食品が捨てられていることを実見し、心が痛みました。これらの食品ロスを有効利用できれば、廃棄の過程で生まれる温室効果ガスや土壌汚染を減らすことも出来ます。まさに一石二鳥。

 

虫飼料の普及を阻む壁は何かというと、規制の存在のようです。アメリカやヨーロッパでは、虫(アメリカミズアブ)の飼料は家禽と一部の魚を除いて、使用が許可されていないようです。禁止されている根拠は不明ですが、害がないのであれば規制を撤廃すべきでしょう。

 

英語でYou are what you eat.という言葉があります。あなたはあなたの食べた物で出来ている、という意味です。ということは、虫を食べた牛の肉は、虫の味がするのかもしれないですね。。。不気味な気もします。それはさておき、虫飼料は環境に優しい飼料であることは間違いなさそうです。虫飼料の今後に目が離せませんね。