田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

あえてナンバーワンを掲げないマーケティングの可能性とは

今朝、大阪難波の千日前商店街を歩いていたら、面白い看板を見つけました。2番目でええんかい!とツッコミを入れたくなりましたが、意外にマーケティングとして有効なのかもしれないと思いました。ナンバーワンを掲げるお店が多々ある中、あえて二番手を掲げ…

高野山で見つけた「忘れられた」歴史の面影

「歴史は記憶、記録の集積なのか。それとも、忘却の過程なのだろうか」 昨日、和歌山県の高野山を訪れました。高野山は弘法大師が開いた、真言宗の総本山です。日本仏教における一大聖地です。世界遺産にも登録されています。 奥之院には、約2kmに渡って広大…

新聞は軽減税率の対象、書籍は対象外になったのはなぜか。

先日、消費税増税後に初めて本を購入しました。なんと消費税が10%に上がっているではありませんか!新聞は軽減税率対象で8%に据え置かれると知ってましたので、当然、書籍も軽減税率の対象かと思っていました。 新聞が軽減税率対象になる根拠は何なのでしょ…

忘れ去られつつある「手書き」の効用とは?

読むことはできても書けない漢字は意外に多いのではないでしょうか。デジタル時代において、パソコンやスマホで文字入力、変換を行う機会が多く、手書きする機会が激減しているように思います。私自身も同様で最近、手書きできない漢字が増えてきました。タ…

伝統と習慣の違いとは 〜小林秀雄の伝統論を読んで〜

伝統と習慣 似ているような似ていないような言葉ですよね。過去から続いてきたものを守るという意味では同じでしょう。小林秀雄は『伝統について』という批評文の中で、伝統と習慣を明確に区別し、守るべき伝統とは何かを論じています。 本文を引用します。 …

藤原京の面影を求めて 〜天香久山と大嘗祭〜

昨日、1300年ほど昔に日本の都であった藤原京跡を散策しました。現在の奈良県橿原市にあります。大和三山(天香久山、畝傍山、耳成山)もこの区域に含まれています。天香久山にあります天香山神社を訪れましたところ、偶然にも宮司さんがいらして、興味深い…

現代人は故郷喪失者か 〜寺山修司の故郷論を読んで〜

「男は誰でも故郷を持っている。それは女にはないものである。女は、生きていた月日を思い出すとき、それが夫であったり、家であったり、山鳩の啼いている森であったり、お祭りであったりする。だがそれは故郷とは別のものだということを男は知っている。故…

雨降る東京と「ポートレイト・イン・ジャズ」

夏が終わり、秋雨の季節が近づいてきました。今回は雨と音楽をめぐる個人的な思い出話をしてみます。 ビル・エヴァンスの『オータム・リーブス』を聞くと、雨に濡れる東京丸の内超高層ビル群の夜景が浮かんできます。 ビル・エヴァンスはモダンジャズを代表…

「ヒット」を生み出す二大法則とは?

「ヒット」を生み出す法則は存在するのでしょうか。存在するようです。経済、メディア関連の記事を執筆しているアメリカのジャーナリスト、デレク・トンプソンの著書『ヒットの設計図 ポケモンGOからトランプ現象まで』を通して、ヒットを生み出す二大法則に…

「マツタケ」に学ぶ共生という生き方

マツタケの土瓶蒸しや、焼きマツタケは、香り豊かでとても美味しいですよね。今では超高級食材になってしまい、なかなか食べる機会に恵まれなくなりました。国産品ですと1kgあたり数万円もします。シイタケより安価だった時代もあるそうです。マツタケがなぜ…

グローバル社会に潜む落とし穴とは?〜古代グローバル文明の崩壊〜

アメリカでのトランプ大統領の登場、イギリスのEU離脱、グローバル化の旗振り役であった二国を中心に反グローバリズムの動きが出てきています。このことの是非を論ずるのではなく、古代グローバル文明の崩壊を手がかりにして、グローバル社会の問題点と対処…

「サラダ記念日」と夏の終わり

「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」 俵万智さんの歌集「サラダ記念日」の中の有名な短歌です。「サラダ記念日」は1987年に出版、ベストセラーとなり、現代短歌ブームを巻き起こしました。約280万部も売れたそうです。同年の流行…

人間はなぜ愚行を繰り返すのか 〜失敗の世界史〜

人間は進歩しているのでしょうか。科学技術の観点からは間違いなく進歩しています。現代、インターネットを通して世界中と瞬時にコミュニケーションをとることができます。月面着陸しました。医療の進歩によって平均寿命は大幅に伸びました。ただ、統治や政…

「タピオカミルクティー」流行に見る食の3大トレンドとは?

台湾発のタピオカミルクティーが日本でも流行っていますね。ロンドン、ニューヨークでも大人気のようです。昨日のウォールストリートジャーナル紙にも記事が出ていました。ロンドンでは、アルコール入りのタピオカミルクティーが人気のようで、まもなくニュ…

破滅に向かうギャンブラー心理と人間の本性とは

創業家3代目大王製紙会長、井川意高氏、106億もの会社資金を私的に流用し、カジノで散財。 2011年に世間を騒がせたニュースですね。大王製紙は、エリエールなどのティッシュブランドで知られている大手製紙会社です。井川意高氏は創業家の3代目で大王製紙の…

東京一極集中は本当か 〜地方が誇りを取り戻すためには?〜

東京一極集中 最近よく聞く言葉ですよね。どちらかといえば否定的なニュアンスで使われることが多いと感じます。東京一極集中は、人口減少を助長する、災害リスクが高い、文化の多様性を破壊する等々。私は東京一極集中という言葉は、誤解を招きかねない問題…

縁切りのパワースポットを奈良で発見!〜談山神社を訪ねて〜

ん?縁切り祈願所? 縁結び祈願所はよく聞きますが、縁切り祈願所はあまり聞かないですよね。本日、奈良県桜井市にあります談山神社を訪問した際に見つけました。 談山神社は大変由緒ある神社のようです。中大兄皇子と共に大化改新を成し遂げて、その後の藤…

神話で読み解く鎮魂の作法 〜熊野と出雲をつなぐもの〜

黄泉の国、根の国、妣の国 これらは死者の国という意味です。古事記や日本書記の神話の中に出てきますね。国産み、神産みの神であるイザナミは、出産後に亡くなり、黄泉の国に向かったとされています。イザナミの亡くなった地は、古事記では出雲、日本書記で…

脱ニューヨーカーの有機農業挑戦記

「きれいは汚い、汚いはきれい」 シェイクスピアの4大悲劇の一つとされている『マクベス』の冒頭のセリフです。いろいろな解釈があるのでしょうが、私は美醜の親近性という意味に捉えています。通常、きれいなものと汚いものは、正反対の概念であり、遠く隔…

知の巨人、南方熊楠と地域主義

南方熊楠とは、いかなる人物であったのか。一般的には明治、大正、昭和を通して活躍した博物学者とされていますね。南方熊楠は多面的な活動を行った人物であり、一面的には捉えられない人物です。学者としては、人文、社会、自然科学すべてに渡る学問を研究…

マッチングアプリが招く社会の分断とは 〜現状満足階級の台頭と文明の衰退〜

アマゾン、メルカリ、エアビーアンドビー、ユーチューブ、ほとんどの方はこれらのサービスを利用したことがあるのではないでしょうか。私もよく利用します。いわゆるマッチングサービスです。マッチングとはつなげるという意味です。メルカリであれば、売り…

人間の終わり? 〜AI神話を再考する〜

最近、AI(人工知能)について様々な議論、報道がなされていますね。主に三つの観点があるかと思います。 一つ目は技術的観点です。AIはどのような技術で何が出来て何ができないのか等です。二つ目は社会経済的観点です。AIの進化によってどのような仕事が消…

追い上げられる国の経済政策はいかにあるべきか

日本経済は衰退途上にある。殆どの人はそう考えているのではないでしょうか。実際にその通りです。失われた20年を通して、個人の実質所得は減少しています。経済規模では中国に追い抜かれました。東南アジア、インドなどの新興国からは追い上げられています…

アメリカで流行している「古い牛肉のステーキ」とは

最近、アメリカで古い牛肉のステーキが流行しつつあるようです。「古い」というのは、いわゆる腐りかけの肉という意味ではありません。今流行りの熟成肉とも異なります。熟成肉は牛肉をドライエージングなどの方法で一定期間寝かせて、うまみを引き出した肉…

レトロモダンの可能性とは 〜大阪・空堀商店街を散策して〜

レトロモダンとは、新旧融合のさまのことですね。懐かしい趣の中に、現代的、未来的な洗練を感じることです。温故知新とも言えます。例えば、最近都市部などで流行している古民家を改装したお洒落なカフェなどです。 本日、大阪の中心部に近い場所にある空堀…

村上春樹に学ぶ文章の極意とは

「私にとって眠れない夜は、太った郵便配達人と同じくらい珍しい」 アメリカの作家、レイモンド・チャンドラーの文章です。今や世界的作家となった村上春樹さんは、文章の極意をこの表現の中に見ています。作家の村上春樹さんと川上未映子さんの対談集『みみ…

源実朝の一生 〜滅びの美学と秋の思想〜

ヤマトタケルノミコト、源義経、楠木正成、忠臣蔵の赤穂浪士、西郷隆盛。日本人の愛する歴史上の人物といえば、これらの人物の名前があがるのではないでしょうか。ヤマトタケルノミコトは伝説上の人物ですが、実在の人物をモデルにしていると思われます。こ…

恐るべき人体部品産業の実態とは

人体を機械の部品のような商品として扱う産業が世界中で拡大しているようです。これは、一部の欲に目が眩んだ闇商人や、生命を操作したいという好奇心に駆られたマッドサイエンティストのみによる所業ではありません。アメリカでは、大企業、一流の科学者、…

消えゆく街並みを惜しんで 〜名古屋駅界隈の古今東西〜

名古屋駅周辺は再開発が進み、現在では国内有数の超高層ビル群を有するエリアです。オフィス街であり、お洒落なブティックや飲食店などが立ち並ぶ場所です。東京の丸の内、大阪の梅田のような場所です。2027年のリニア開通に向けて、更なる再開発が進行中で…

落差日本一の滝を見て想う無常なること

富山県の立山連峰にある落差日本一の滝を訪れました。その名は、称名滝です。まさに絶景でした。 なんと落差が350mもあります。当日は山上に霧がかかっており、霧の中から大量の水が轟音を立てて滑り落ちてくる様子は圧巻でした。砕け散った滝の水が霧状の水…