落差日本一の滝を見て想う無常なること
富山県の立山連峰にある落差日本一の滝を訪れました。その名は、称名滝です。まさに絶景でした。
なんと落差が350mもあります。当日は山上に霧がかかっており、霧の中から大量の水が轟音を立てて滑り落ちてくる様子は圧巻でした。砕け散った滝の水が霧状の水しぶきとなって辺りを覆っていました。これでもかという程のマイナスイオンを浴びてきました!
滝を眺めながら、鎌倉時代に鴨長明によって書かれた随筆、方丈記の中の文章を思い出しました。
「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたはかつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」
現代語訳です。
「川の流れは絶えることがない。しかも、もとの水ではない。淀みに浮かぶ水泡は、消えたり現れたりして、久しくとどまっていることはない」
変わることの無いように思える自然も、中身を見ると、常に変化しているという意味でしょう。この文章は、単に無常について述べているのではないと思われます。個々の生命は常に変化していると同時に大きな生命の流れは絶えることなく続いているという意味ではないでしょうか。無常なるものと変わらないもの、死と再生の循環。