田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

コロナ以後の世界はどう変わるのか① 〜グローバリズムの後退とナショナリズムの復活〜

コロナ危機が続いています。私の暮らしている田舎は、宿泊客の減少、屋内イベントの中止などの影響が出ていますが、外出自粛が続く東京などの大都会ほどのダメージは受けていない印象です。感染者は今のところ出ていません。宿泊を伴わない観光客はむしろ増…

デジタル掛け軸(D-K)と滅びの美

先日、熊野市にあります世界遺産、花の窟神社で開催されたデジタル掛け軸(D-K)のイベントに行ってきました。デジタル掛け軸とは、世界的な映像アーティストの長谷川章氏が創作したデジタルアートです。複数のプロジェクターで建物や壁などにデジタル映像を…

「人間中心主義」は終焉したのか 〜フーコーの『言葉と物』を読んで〜

分かりやすくニュースを解説する池上彰氏、分かりやすい言葉で政治を語る政治家、難しい専門書を分かりやすく説明した解説書などなどが人気ですよね。では「分かる」とは何を意味しているのでしょうか。物事には名前(言葉)があり、人間はその言葉の意味を…

東日本大震災の教訓は「コロナ危機」に生かされているのか

本日は東日本大震災の発生から9年目です。目下、「コロナ危機」が進行中ですね。果たして東日本大震災の教訓は、「コロナ危機」に生かされているのでしょうか。そして「コロナ以後」の世界はどうなるのでしょうか。 東日本大震災の教訓については様々な意見…

なぜ人間は失敗し続けるのか〜確証バイアスの光と影

戦争、環境破壊、バブルの発生と崩壊、デマや集団ヒステリーの流布、統治の失敗などなど、人間は懲りることなく失敗を続けてきました。賢いはずの人間は何故、失敗を続けてきたのでしょうか。「確証バイアス」が深く関係しているのかもしれません。 確証バイ…

滅びゆく武士が伝えたかったこと〜奈良、九品寺の石仏を観て〜

昨日、奈良の御所市にあります九品寺を訪れました。九品寺は奈良時代に行基が開いた古刹です。行基は奈良東大寺の大仏建立に尽力した人物として、日本史にも登場する名僧ですね。今から約700年近く前の南北朝時代、九品寺は周辺地域を治める武士氏族、楢原氏…

民主主義の逆説とは?〜民主主義が進むほど民主主義は衰退する〜

トランプ大統領の登場、イギリスのEU離脱、イタリアの五つ星運動の台頭等々、現在、世界中でポピュリズムが台頭しています。ポピュリズムとは民衆が極端な要求を掲げ、それを叶えてくれる(であろう)専制的な指導者が現れる現象を指します。 イタリアはさて…

現代人が失ってしまったもの 〜夜の喪失と物語の終焉〜

百鬼夜行 あまたの鬼や妖怪が暗闇の中をうごめいている様子ですね。昔の人の夜に対する恐怖感を示している言葉と言えるでしょう。現代人も夜に対する恐怖感を引き継いでいると思いますが、かつて程ではないでしょう。街灯、ネオンに煌々と照らされた都市を夜…

養殖は環境に優しい、は本当か?

昨年末に奮発して青森産の天然本マグロの大トロを食べました。いわゆる最高級品です。微かに酸味があって、しつこくない脂の乗りで確かに美味しかったです。天然本マグロを食べるのは久しぶりでした。今、日本で出回っている本マグロは養殖物が多いですよね。…

カルロス・ゴーン盛衰記 〜野心家の栄光と悲惨〜

東京拘置所の三畳程の独居房でカルロス・ゴーンは無機質な壁を見つめながら何を想っていたのでしょうか。そして楽器箱の中で。 世界的な自動車グループを築き上げた、ビジネス界の栄えある超エリートだったカルロス・ゴーン。南仏にクルーザーを所有し、優雅…

絶望の伝道師、ミシェル・ウェルベックとは?

「ぼくは1人の女性を幸せにできたかもしれない。または2人を。それが誰かはすでに話した。最初から何もかもがあまりにも明白だった。でもぼくたちはそのことを考慮に入れなかったのだ。個人の自由という幻想に身を任せてしまったのだろうか、開かれた生、無…