田舎暮らし in 熊野

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地域おこし協力隊で成功する3つのコツ 事前調査編

私は現在、地域おこし協力隊として熊野市で活動しております。赴任一年目で、ある程度「地域おこし協力隊」の全貌が見えてきました。これから地域おこし協力隊になって地域おこし活動を考えておられる方々に、成功のための事前準備のポイント3点をお伝えします。

 

①自分が興味のある、もしくはスキルの生かせる業界、職種を探す。

②移住先地域の現状、特性を調査する。

③行政の仕事の進め方、特性を調査する。

 

まず①から説明します。地域おこし協力隊の仕事内容は本当に千差万別です。業界でいうと、漁業、農業、文筆業、観光業など多岐に渡ります。職種について私の従事している漁業を例に取ると、漁師もいれば水産物を使った加工品の商品開発、販売を行う6次産業化要員もいます。実際の地域おこしの進め方に関しても大きく二分されています。一つ目は、地域おこし協力隊自身が主導する形で新たなプロジェクトを立ち上げる方法です。二つ目は、既存の組織(主に公的機関、例えば協同組合、観光協会等)に入って、現状改革を行う方法です。前者は自由度が高い反面、一から自分で主導しなければいけない大変さはあります。後者の場合は、社会的信用度の高い組織の名前を使うことができるので、対外的には事業を進めやすいです。反面、内部調整にかなり苦労します。基本的に田舎の公共的組織は非常に保守的で新しい取り組みには消極的です。自分のしたいこと、特性を踏まえてどの地域おこし協力隊に応募するか決めて下さいね。

 

②まずは文献調査で地域の人口、年齢分布、産業、歴史等を調べます。地元の図書館に行けばたいていの郷土資料を見ることができます。次に、できたら移住先の住民にインタビューして、地域の現状や課題について住民自身がどのような考え方を持っているのかを把握しておきましょう。住民自身が問題意識を持っていない場所で地域おこし活動を行うのは至難の業です。人間ですので個人的に合う、合わないという相性も当然あります。基本的には一人で外部から田舎に移住して地域おこし活動を行うことになります。地域に溶け込むことができなければ、仕事を進めることは難しいです。加えて、疎外感を持ってしまうことになります。ですので、事前調査を綿密に行い、自分と相性が良さそうで、やりたい事をできそうな場所を選んで下さいね。

 

③まず、行政の内在的論理を掴んでください。民間企業とは根本的に異なります。民間企業の最大の目的は利潤の最大化です。端的に言ってお金を儲けることです。行政の目的は住民に対して持続可能な安定的行政サービスを提供することです。地域おこし協力隊は、あくまで行政の臨時職員です。予算を使う場合など行政の手続きを踏む必要があります。自由に使える予算が1人年間100万程度ありますが、手放しで使える訳ではありません。予算を使うためにはなんのために使うのか、使うことでどのような成果につながるのかを行政に対して丹念に説明しなければいけません。行政は結果に関しては民間企業に比べてシビアではないですが、計画策定とその説明に関しては非常にシビアです。1人の地域おこし協力隊が行政を変えるということは不可能だと思って下さい。行政の内在的論理を掴み、行政の手続きを踏んだ上で行政を味方につけながら、あなたの地域おこし活動を進めていって下さいね。

 

いかがでしたでしょうか。自分自身の経験に即して、地域おこし協力隊赴任前に調査しておくべきこと3点を述べました。これから地域おこし協力隊になることを考えておられる方々の参考になればと思います。