田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

停電の夜に天井を見上げて思ったこと

停電の夜に、テーブルの上のキャンドルの灯りを囲みながら、すれ違いがちな夫婦がお互いの想いを語り合う。アメリカの女流作家の「停電の夜に」という短編小説を思い出しました。哀しくも洒脱な雰囲気のある文章です。

昨晩、台風の影響で私の住む町は10時間程停電しました。運の悪いことに(良いことに?)スマホの充電も切れており、真っ暗闇の一夜を過ごすことになったのです。「停電の夜に」の話に出てくるようなキャンドルの灯りもなく、畳の上に布団を敷いて真っ暗な天井を眺めていました。外では強い風が吹きすさび、横なぐりの雨と共に隙間の空いた引き戸をカタカタと鳴らしていました。

質素な田舎暮らしをテーマに掲げている私にとってさえ、真っ暗闇というものにそこはかとない不安を掻き立てられ、いかに電気に依存した生活をしていたのかを痛感しました。

物理的な対策として懐中電灯、ガスコンロ、保存食等を準備しておくことが必要だと感じました。都市に比べると田舎は道路などのインフラが整備されていないため、復旧には時間を要します。

さらに大切なことは、電気などの「当たり前にあるもの」が、突如失われる可能性があるという心の準備をしておくことではないでしょうか。