田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

「未利用魚」活用の実態

最近、話題になっています未利用魚について書いてみます。まずは未利用魚の定義から始めます。未利用魚と呼ばれる魚には主に三つの分類があります。一つ目は文字通り全く利用されず廃棄されてしまう魚、二つ目は漁師や地元民の間でのみ消費されて全国流通しない魚、三つ目は養殖魚や水族館の魚の餌になる魚です。一つ目に対応する魚としては、ダツ、ネンブツダイなどです。二つ目に対してはシイラ、イスズミダイ、アイゴなどです。三つ目に対しては小さいサバ、イワシ等です。

写真の魚はアイゴです。

f:id:kumanonchu:20180902114956j:image

日本で漁獲されている魚の約3割が未利用魚と言われています。なんともモッタイナイ話ですが、未利用魚になるにはやはり理由があります。こちらも主に三点です。一つ目は食味が悪いこと、二つ目は毒針がある、小骨が多いなどで下処理の手間がかかること、三つ目は鮮度の低下が早いため全国流通が難しいことです。一つ目に対応する魚としては、磯臭いと言われているアイゴやイスズミダイなど、二つ目に対してはウツボ、ダツ、ゴンズイなど、三つ目に対してはシイラ、小さいサバ、イワシ等です。

代表的な未利用魚の活用例としては、ホタルジャコをすり潰して作った愛媛宇和島のじゃこ天や、この辺りですと小サバを燻製にした梶賀のあぶりなどがあります。私も大好きです。

未利用魚を活用する際の課題は何でしょうか。私が考えるには、流通経路に乗るだけの十分な水揚げ量があるかどうかということと、やはり美味しいかどうかです。もう一つ付け加えると消費者の未利用魚に対するマイナスイメージを変えることです。消費者からすると未利用魚ということは美味しくない魚なのではないかと考えるかと思います。もちろんそういう魚もありますが、どちらかというと下処理の手間や流通の問題から未利用魚となっている魚が多いです。未利用魚を活用した商品を販売する際には、この実態を消費者に知ってもらう努力が不可欠です。

私の働いてる漁港においてはダツというサンマを大きくしたような魚が廃棄されている未利用魚であり、活用方法を考えております。味は良いのですが、小骨が多く下処理の手間から未利用となっています。漁師に確認したところ、量はそれなりに揚がっているようです。すり身にして揚げ物として商品化できないか考案中です。何か良いアイデアがあれば教えて頂けると幸いです。