田舎暮らし in 熊野

田舎暮らしの日常、旅行、グルメ、読書について書いています。

都会から田舎に移住して思うこと

 ブログを初めて書きますkumanonchuです。簡単に自己紹介いたします。私は18歳まで地方の中規模都市で暮らした後、進学、就職のため東京に7年間居住しました。その後、転勤で名古屋に8年間住みました。そして去年の冬に三重県熊野市のとある漁村に移住して地域漁業振興を生業として現在暮らしています。

 都会暮らしと田舎暮らしの違い、田舎暮らしの日常、魅力、はたまた課題といったことを徒然なるままに書いていきます。田舎暮らしに興味がある方々や現在都会に住んでいて田舎への移住を考えている方々に読んで頂ければ幸いです。

 田舎暮らしをして思うことを簡単に言うと、『無い』ということです。もちろん物質的にです。私の住む漁村にはコンビニも飲食店も電車もありません。月並みに言って不便なところということです。では不便なことは悪いことだらけかというとそうではありません。逆説的に捉えると『無い』ということは、あらゆる可能性が『有る』とも言えます。『無い』なら自分で、もしくは地域の住民と協力し合いながらなんとかしなければいけないからです。DIY(DO IT YOURSELF)と言ってもいいですし、フランスの文化人類学者、レビ・ストロースが『野生の思考』で述べているブリコラージュ(ありあわせの道具や材料を使って手作業すること)とも言えます。簡単な例を挙げると、食料についてです。スーパーが近くになければ自分で調達して料理しなければいけません。魚ですと自分で釣って捌いて料理するということです。もちろん田舎暮らしの人が完全に自給自足の生活をしているという意味ではなく、都会暮らしの人と比較したらという話です。

 現在、生活力といった場合には大体において金銭収入を意味すると思われます。複雑化し分業が進んだ社会においては否応もなく金銭を媒介にした交換経済が社会を支配することになります。しかし、本来の生活力というものは、ある種のサバイバル能力なのではないでしょうか。極論すれば無人島でなんとか生き延びる能力があるかどうかです。こう考えると田舎暮らしの人は都会暮らしの人に比べて生活力があるとも言えるのではないでしょうか。

 『無い』ことの可能性を探りながら暮らしている今日この頃です。皆さんのご意見を頂ければ幸いに存じます。