田舎暮らし in 熊野

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【三重弁 実用例】地域ごとの差異

できやんやん!

 

典型的な三重弁として有名ですね。標準語だと、できないじゃん!という意味です。三重弁において、やん、は否定と強意の意味があります。やん、が特に有名な三重弁ですが、北部地域と南部地域では結構違いがあるんですよ。

私は三重県北部地域の四日市出身で17年間を四日市で過ごしました。今は南部地域の熊野に住んでいますので両方を理解しています。ここでいう南部地域は熊野に限定します。といいますのも、南部地域は地区毎に話し方が大きく異なります。おそらく山がちな地理で平野が少なく、かつては各地区の交流があまりなかったためと思われます。

それでは何点か例を挙げていきます。

 

三重南部弁①明日は休みやさか飲みにいこらい!

三重北部弁②明日は休みやで飲みにいこうや!

標準語       ③明日は休みだから飲みにいこうよ!

 

三重南部弁①好きなことしやらんし!

三重北部弁②好きなことせぇよ!

標準語       ③好きなことをしなよ!

 

三重南部弁①赤ん坊、スヤスヤ寝やぁるにゃあ。

三重北部弁②赤ん坊、スヤスヤ寝とるなあ。

標準語       ③赤ん坊、スヤスヤ寝てるね。

 

三重弁はやらかい語感が特徴ですが、特に南部はその傾向が強いですね。今までは相違点を述べましたが共通点ももちろん多いです。やん、は北部、南部共によく使います。あとは疲れた、という意味で、えらいという言葉も双方でよく使います。えらい、という言葉は南部ではより広い意味合いで使っている印象があります。例えば、南部弁だと「今日は波がえらいで海に出れやんにゃあ」北部弁だと「今日は波がきついで海には出れやんなあ」標準語では「今日は波が高いから海には出られないなあ」となります。ここで使っている、えらいは状況が厳しいという意味です。北部で使う、えらいは体調が良くない、疲れたという意味に限られます。

ということで同じ三重県内でも結構方言が違うんです。標準語は全国的に通じやすいため、会話効率の観点からは便利ですが、多様な文化の源泉としての方言も大切にしていきたいですね。